今年も大東市の諸福老人福祉センターにて、
セミナーを開催させていただきました。
セミナーのテーマは昨年度同じ「成年後見制度と相続・遺言」ですが、
今年は、遺言書を中心とした内容にしました。
遺言書作成の前半に「子のいない夫婦」について例を挙げて、
遺言書が役に立つ場面を説明しました。
(1)兄弟姉妹が健在な場合
子のいない夫婦がいまして、遺言書を書かずに大東次郎さんが亡くなった
とします。
大東次郎さん名義の財産は、自宅の土地建物と僅かなの貯金。
配偶者である大東良子さんは、次郎さんの兄弟姉妹との遺産分割協議を
行うことになります。
次郎さんの兄弟姉妹が法定相続分のを要求してきた場合は、預貯金で
まかなえるでしょうか?
自宅の土地建物を売却する必要が出るかもしれません。
次郎さんの兄弟姉妹が法定相続分を要求しなくても、遺産分割協議が
終わるまで、大東良子さんは自分の住まいが気がかりで気が休まらない
でしょう。
大東良子さんのためにも、大東次郎さんには遺言書を書くことを提案します。
(2)兄弟姉妹が健在でなく、連絡するのも簡単でない
上記と同じで、
子のいない夫婦がいまして、遺言書を書かずに大東次郎さんが
亡くなったとします。
大東次郎さん名義の財産は、自宅の土地建物と僅かなの貯金。
上の例と異なるのは、
兄弟姉妹が健在でないことです。
長男の一郎は5年前に死亡。
長女の貴子は、認知症の症状が出て、成年後見人が付いている。
弟の三郎さんは、最近、家族で沖縄に住んでいる事が分かったけど、
沖縄の病院で入院中(重傷だが意識は、あるようだ)。
皆さんは、極端な事例だとお思いでしょうか。
高齢となった兄弟姉妹は、全員が元気だとは限りません。
亡くなったり、高齢に伴うに病気にかかることがあります。
特に、認知症は高齢の方ばかりでなく、若年者でもかかることがあるようです。
この事例だと、大東良子さんは長男の子、成年後見人、遠方にいる
三男さんと遺産分割協議をする必要に迫られます。
こういった場合であっても、大東次郎さんが遺言書を書くことによって、
奥様である大東良子さんに手間をかけることなく、ご自身の財産を相続
させることが可能になります。
(1)と(2)については、先日のセミナーにて遺言書の例を挙げて詳しく
説明させていただきました。
受講者の方は、大いに納得されていました。