相続に関する法律用語
| あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 |
あ行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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遺産 (いさん) |
被相続人(亡くなった人)が遺した承継すべき財産の全てです。 遺産の種類として、不動産や現金・預貯金、貴金属と行った プラスの財産ばかりでなく、ローンや借金といったマイナスの財産も 含まれる場合があります。 |
遺産相続 (いさんそうぞく) |
遺産が共同相続人の共有になっているときに、配偶者や子供あるいは 孫といった相続人の法定相続分に応じて、または遺産分割協議により 分割し、各相続人の単独財産とすることをいいます。 |
遺贈 (いぞう) |
遺言によって無償で遺言者の財産を与える行為です。 遺贈を受ける人は、相続人でも相続人でなくてもかまいませんので、 息子の嫁や友人などにも財産をあげることが可能になります。 遺贈によって利益を受ける者を受遺者といいます |
遺留分 (いりゅうぶん) |
相続財産の内、一定の相続人が相続に際して法律上取得することを保障されている相続財産の一定割合のことです。 |
遺留分減殺請求 (いりゅうぶんげんさい せいきゅう) |
遺留分を侵害するような遺贈や贈与が行われた場合に、相続人が 遺留分を侵害された限度で遺贈や贈与の効力を失わせるためにする請求のことです。遺留分減殺請求の権利は、行使をしないと時効によって消滅します。 |
遺留分の放棄 (いりゅうぶんのほうき) |
遺留分権利者が自らの遺留分を放棄することをいいます ただし相続開始前は、家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄できます。 被相続人の死後は自由にできます 。 |
か行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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改製原戸籍 (かいせいげんこせき) |
法改正により、書き換えられる前の元の戸籍のことです。 書き換えられることで、今までの戸籍謄本が改製原戸籍となります。 役所の窓口では、担当者が「ハラコ」や「ハラコセキ」と呼んでいることがあります 。 |
換価分割 (かんかぶんかつ) |
換価とは不動産や貴金属・骨董品などの金銭以外の財産を売却する などして、金銭に換えて分割する方法をいいます。 現物分割が不可能、また、現物の分割が妥当でない場合、現物を 分割することで資産価値が下がる場合などに、この分割方法をとります。 売却した財産に対して手数料や税金がかかる場合があります。 |
共有分割 (きょうゆうぶんかつ) |
共有分割とは、複数の相続人間で持分を決めて財産を『共有』で する法をいいます。 例えば、相続財産の宅地・建物を複数の相続人が、相続分に応じて 登記を行い、その土地を共有することをいいます。 |
寄与分 (きよぶん) |
寄与分とは、配偶者や子といった相続人が被相続人の事業に役務の 提供や財産上の給付を行ったり、病気の看護などを行ったことで、 被相続人の財産の増加や維持に特別貢献した場合、その特別の貢献分を金額に評価したものをいいます。 貢献した相続人に対して、本来の相続分を超えて相続ができることがあります。しかし、相続人間で評価について争いが起こることもあるようです。 |
共同相続 (きょうどうそうぞく) |
相続人が複数人いる場合の相続のことをいいます。 これに対し、相続人が1人だけの場合を,「単独相続」といいます。 |
固定資産評価証明書 (こていしさんひょうかしょうめいしょ) |
不動産の評価額は、毎年、市区町村が決定しており、この評価額を 証明書として市区町村役場が発行しています。 固定資産評価証明書に記載の評価額は、固定資産税や都市計画税を 算定するために利用されています。 また、不動産登記における登録免許税の算出にも利用されます。 固定資産評価額証明書は、固定資産税の納税通知書に記載されている 「評価額」と同じです。 |
戸籍 (こせき) |
市町村の区域内に本籍を定める1組の夫婦、及び、これと氏を同じく する子ごとに編製される公文書のことを言います。 本籍地の役所が管理しています。相続においては、被相続人の出生 まで遡る戸籍・除籍、改製原戸籍を取得することにより、相続人を明らかにする事ができます。 |
戸籍謄本 (こせきとうほん) |
戸籍謄本とは、本籍地の市区町村が掌握している戸籍簿(戸籍情報をまとめた書類)の一戸籍のうち全部を”写し出した”ものです。 なお、戸籍自体は、原則として、夫婦とその子(氏を同じくする)に よって編成されるため、子が婚姻した場合には、父母の戸籍から離れて新たに夫婦の戸籍を編成することになります。 |
戸籍抄本 (こせきしょうほん) |
戸籍のうち請求者が指定した一部分のみを記載したもの。 |
戸籍の附票 (こせきのふひょう) |
該当市区町村に本籍がある者の住所履歴に関する記録です。 戸籍の附票には、戸籍の表示、氏名、住所、住所を定めた年月日の4つしか記載されていません。 「住民票」も「戸籍の附票」も同じように住所の証明になるものです。 |
さ行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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祭祀財産 (さいしざいさん) |
先祖代々の家系を記した系図(系譜)や位牌・仏壇、墓地・墓石などです。 |
死因贈与 (しいんぞうよ) |
「私が死んだら財産の○○をあげる」というように贈り主の死亡に より効力が生ずる贈与契約をいいます。 贈与の契約であるため、相手方の承諾が必要であることから、受け取る側の意思表示も必要になります。 なお、死因贈与は贈り主の死亡が発生要件となるため、贈与税ではなく相続税がかかります。 |
失踪宣告 (しっそうせんこく) |
行方不明や失踪などで、生死不明の状態が一定期間続いた場合、 法律上、その人を死亡したものとみなして、財産の相続や生命保険の 受け取りができるようにします。 失踪には「普通失踪」と「特別失踪」に分けられ、失踪宣告は、 利害関係人が家庭裁判所に失踪宣告審判の申し立てをすることにより、 受けることができます。 |
指定相続分 (していそうぞくぶん) |
遺言を書く人(遺言者)は、遺言で共同相続人の相続分を定め、又は これを定めることを第三者に委託することができます。 このとき、定められた相続分を指定相続分と言います。 指定相続分は、相続人の遺留分を侵害しなければ、どのように 割り振ることもできます。 |
受遺者 (じゅいしゃ) |
遺贈によって利益を受ける者のことを言います。 受遺者が、遺言の効力発生時(遺贈者の死亡時)に生存していない 場合、その遺贈は無効となります。 |
熟慮期間 (じゅくりょきかん) |
相続手続では、被相続人の死亡又は自分が相続人である事を知った ときから3ヶ月以内に相続の方法(単純承認・限定承認・相続放棄)を 決める事が必要です。 この相続方法を選択することができる期間の事を熟慮期間といいます。 相続財産がはっきりしない(プラスの財産と借金などのマイナスの 財産債務)ような場合には、家庭裁判所に申し立てることで延期することができます。 |
推定相続人 (すいていそうぞくにん) |
推定相続人とは、相続開始前に仮に相続が発生した際に相続人と推定される人のことをいいます。 例えば、配偶者・子などが挙げられます。 |
数次相続 (すうじそうぞく) |
相続の発生によって土地・建物の権利を取得した場合、すぐにでも 登記をしなければならないといものではありません。 相続人間での相続争いなどで、長期間、登記をしないで放置して おくと、やがて相続人が亡くなることで、新たに相続が発生することになります。 これを数次相続といいます。 |
成年後見制度 (せいねんこうけんせいど) |
認知症の人や知的・精神障害のある人のように判断能力が不十分な 場合、様々な契約や遺産分割などの法律行為をご自身でで行うことが困難であったり、悪徳商法などの被害にあうおそれがあります。 成年後見制度は、このような判断能力の不十分な人の代わりに、家庭裁判所に任命されるなど した後見人が、本人のために財産管理や福祉施設の利用時の契約などを行うものです。 |
相続放棄 (そうぞくほうき) |
被相続人の遺したすべての財産を一切引き継がないことを選択することです。 相続放棄は、相続開始を知ってから3カ月以内に家庭裁判所に相続放棄承認の申し立てをおこないます。 |
相続回復請求権 (そうぞくかいふくせいきゅうけん) |
相続人でない者が相続人であるかのように相続財産を引継いでしまっている ような場合、相続人は相続財産を返せという請求ができます。 これを 相続回復請求権 といいます。 |
相続欠格 (そうぞくけっかく |
相続欠格とは、一定の事由があると当然に相続できなくなるようにする制度 です。相続欠格事由に該当すると、当然にその人の相続権が奪われます。 |
相続債権者 (そうぞくさいけんしゃ) |
被相続人に対して債権を有しいてた人のことです。 |
相続人の廃除 (そうぞくにんのはいじょ) |
相続人の地位そのものを剥奪する制度です。 廃除をしたい推定相続人がいる場合には、家庭裁判所に廃除の請求を 申し立てることが必要です。 廃除の対象となるのは「遺留分を有する推定相続人」であること から、遺留分を持たない兄弟姉妹は、廃除の対象にはなりません。 |
相続人の不存在 (そうぞくにんのふそんざい) |
相続は開始したが、相続人が行方不明や生死不明である状態。 相続人が不存在のときには、相続財産を相続財産法人とし、家庭 裁判所で選任した管理人が相続債権者および受遺者に対して精算手続きをおこないます。 こうして精算したあと残った財産は、特別縁故者への分与あるいは国庫への帰属ということになります。 |
相続分 (そうぞくぶん) |
共同相続人が相続財産に対し有している持分の割合。 |
相続分なきことの証明書 (そうぞくぶんなきことのしょうめいしょ) |
相続分なきことの証明書とは、相続人が「相続分以上の生前贈与 (特別受益)をすでに受けているため、相続する財産はありません」 ということを証する文書です。 |
相続分の譲渡 (そうぞくぶんのじょうと) |
共同相続人の内、誰かが遺産分割前に自分の相続分を譲渡すること。 第三者が相続分を譲り受けた場合、その者は相続人としての地位を取得するので、遺産の管理や分割に参加することができます。 なお、相続分が第三者に譲渡された場合、他の共同相続人は譲り受けた第三者に対し、相続分の価額および譲渡費用を支払って、取り戻すことができます。 |
た行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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代償分割 (だいしょうぶんかつ) |
相続財産の中には、分割して相続するのが難しいもの、あるいは、 分割して相続すると合理的でないものがあります。 この場合、相続人の一部に財産を与えて、他の相続人に対して金銭を支払う方法です。 財産を受け取った相続人に、金銭の支払い能力がないと実現が難しいです。 |
代襲相続 (だいしゅうそうぞく) |
代襲相続とは、被相続人の子が相続開始時にすでに死亡している 場合に、死亡した子の子(被相続人から見れば孫)が代わって相続することをいいます。 |
単純承認 (たんじゅんしょうにん) |
被相続人の資産と負債のすべてを無制限に受け継ぐこと。 |
嫡出子 (ちゃくしゅつし) |
婚姻している夫婦から生まれた子。 または婚姻関係にあった男女間に生まれた子をいいます。 |
直系尊属 (ちょっけいそんぞく) |
直系の血族のうち、本人より上の世代、つまり父母、祖父母などをいう。 |
直系卑属 (ちょっけいひぞく) |
直系の血族のうち、本人より下の世代、つまり子、孫などをいう。 |
特定遺贈 (とくていいぞう) |
特定遺贈とは、特定の土地とか家屋、一定額の金銭、などのように物や金額が確定して いる物を遺贈することをいいます。 |
特別受益 (とくべつじゅえき) |
被相続人から生前に受けた、事業の開業資金、住宅取得のため の費用など特別な利益のことをいいます。 特別受益を受けた相続人の相続分を、特別受益分だけ減らす(特別 受益の 持戻)ことによって 、特別な利益を受けていない他の相続人との公平を図ることが認められています。 |
な行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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内縁 (ないえん) |
婚姻届を出してはいないが、事実上婚姻状態にある関係。 |
は行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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配偶者 (はいぐうしゃ) |
配偶者(はいぐうしゃ)とは、婚姻の相手方をいいます。 妻から見た配偶者を夫(おっと)、夫から見た配偶者を妻(つま)といいます。 |
半血兄弟 (はんけつきょうだい) |
父母どちらか一方のみを同じくする兄弟(異母兄弟・異父兄弟)をいいます。 |
非嫡出子 (ひちゃくしゅつし) |
婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことをいいます。 |
(戸籍の)筆頭者 (ひっとうしゃ) |
戸籍の最初に記載されている人をいいます。 戸籍は、一般的に夫婦と結婚していない子供とで構成されています。 子供が婚姻すると、親の戸籍から抜け、夫婦で新しく戸籍を作ることになります。 夫の氏を選んで婚姻すれば夫が筆頭者に、妻の氏を選んで婚姻すれば妻が筆頭者になります。 |
包括遺贈 (ほうかついぞう) |
遺贈には、「特定遺贈」と「包括遺贈」の2種類があります。 包括遺贈とは、「遺産の何分の1(ないし全部)を甲に与える」 と いうように、遺産の全部またはその分数的割合を指定するにとどまり、 目的物を特定しないでする遺贈のことをいいます。 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します。 |
法定相続分 (ほうていそうぞくぶん) |
民法にて、誰が、どのくらい相続するのかを決めています。 |
ま行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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みなし相続財産 (みなしそうぞくざいさん) |
亡くなった日には、被相続人は財産として持っていなかったけれども、被相続人の死亡を原因として、相続人がもらえる財産のことです。 相続税法上は、相続財産とみなして相続税を課すことになります。 |
や行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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遺言 (ゆいごん) |
遺言を書いた人(遺言者)が、自分の死後の法律関係を定めるための最終意思の表示をいいます。 |
遺言執行者 (ゆいごんしっこうしゃ) |
遺言を書いた人(遺言者)の書いた遺言書の内容を実行することを職務とする人のことです。 |
遺言書の検認 (ゆいごんのけんにん) |
遺言書(公正証書遺言を除く)の保管者又はこれを発見した相続人 は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければなりません。 遺言書の検認とは、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など遺言書の内容を確認し、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。 「遺言が遺言者の真意であるかどうか」や「遺言が有効であるかどうか」を審査する手続ではありません。 |
遺言能力 (ゆいごんのうりょく) |
遺言は、遺言をする人が単独でできる能力のことです。 |
養子縁組 (ようしえんぐみ) |
具体的な血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生させることをいいます。 |
ら行
相続に関する法律用語 | 意味 |
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利益相反行為 (りえきそうはんこうい) |
当事者の一方の利益が、他方の不利益になる行為のことです。 相続手続きの場合を例にあげると、未成年者の代理を親がする場合に 利益相反行為となるので、特別代理人を立てる必要があります。 |
路線価 (ろせんか) |
その道路に面している標準的な宅地の1平方メートル当たりの千円単位の価額のことです。 |