成年後見制度ってどんな制度なの
当事務所の行政書士は、行政書士で構成しています一般社団法人コスモス成年後見サポートセンターの大阪府支部(「コスモスおおさか」)に所属して、成年後見の業務に関して研鑽を重ねており、また成年後見制度の啓発、広報活動を行っております。
一般社団法人コスモス成年後見サポートセンターでは、行政書士としての知見に加え、成年後見人等として必要な知識を入会前に行う研修で学ぶほか、一定期間ごとに法改正や地域の実情や特性に合わせた研修を行っています。
成年後見制度とは
成年後見制度には、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより判断能力が低下した方を支援するために設けられた制度です。
「要介護5だけど、成年後見使えますか?」と相談されることがありましたが、判断能力がポイントになります。
つまり、成年後見制度の利用に当たっての重要なのは、判断能力の有無です。
認知症や知的障がい、精神障がいにより判断能力が低下した方を支援する成年後見人(後見人保佐人、補助人、任意後見人等)が、法定代理人となり本人に変わっての財産管理や身上監護の事務を行うものです。
介護判定で要支援や、要介護であっても、判断能力がある方は法定後見制度の利用(後見、保佐、補助)の利用ではなく、将来、ご自分が判断能力が低下した場合を想定した任意後見制度の利用を検討することになります。
後見人などになれる人には、特別な資格は必要ありません。
成年後見を利用する方の家族や親族、士業といった職業の方といった自然人、法人がなることが出来ますし、一人だけでなく、複数人でもなることが出来ます。
ただし、
① 未成年者
② 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
③ 破産者
④ 行方の知れない者
⑤ 本人に対して訴訟をし、又は訴訟をした者及びその配偶者並びに直系血族
等の方は後見人などにはなれません。
近年、少子高齢化により親族後見人のなり手が少なくなっているようです。
そのこともあってか、第三者の職業後見人の就任が増えているようです。
私は、成年後見人として選任されて被後見人の残存能力を優先した上で、財産管理や身上監護に務めています。
成年後見制度の仕組み
成年後見制度には、以下の通り大きく分けて2種類があります。
法定後見制度 | 任意後見制度 |
---|---|
認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、すでに判断能力が低下している場合に利用します。 | 判断能力が十分にある間に、信頼することができる方と公正証書で予め契約しておきます。 |
法定後見制度
法定後見制度には、判断能力の程度により、以下のように3つに分かれます。
後見(こうけん)
保佐(ほさ)
補助(ほじょ)
判断能力が欠けているのが通常の状態の方
判断能力が著しく不十分な方
判断能力が不十分な方
家庭裁判所が成年後見人を選任します。
成年後見人は、本人の意思を尊重しながら本人に代わって、いろいろな契約を結んだり、財産を管理し(代理権)、もし本人に不利益となる契約や財産の処分などが行われた場合には、それを取り消すなどして(取消権)本人が日常生活に困らないよう支援をします。
家庭裁判所が保佐人を選任します。
保佐人は、金銭の貸借、不動産の売買など特定の重要な法律行為について、同意や取消をして本人を支援します。保佐人に対して、特定の法律行為について代理権を与えることができます。
家庭裁判所が補助人を選任します。
補助人には、家庭裁判所に申立を行う際、特定の法律行為について代理権または同意権(取消権)を与えることができます。
法定後見制度には、判断能力の程度により、以下のように3つに分かれます。
後見(こうけん) | 保佐(ほさ) | 補助(ほじょ) |
---|---|---|
判断能力が欠けているのが通常の状態の方 | 判断能力が著しく不十分な方 | 判断能力が不十分な方 |
家庭裁判所が成年後見人を選任します。 成年後見人は、本人の意思を尊重しながら本人に代わって、いろいろな契約を結んだり、財産を管理し(代理権)、もし本人に不利益となる契約や財産の処分などが行われた場合には、それを取り消すなどして(取消権)本人が日常生活に困らないよう支援をします。 |
家庭裁判所が保佐人を選任します。 保佐人は、金銭の貸借、不動産の売買など特定の重要な法律行為について、同意や取消をして本人を支援します。保佐人に対して、特定の法律行為について代理権を与えることができます。 |
家庭裁判所が補助人を選任します。 補助人には、家庭裁判所に申立を行う際、特定の法律行為について代理権または同意権(取消権)を与えることができます。 |
要介護判定から介護サービスを受けている状態で、「成年後見制度の利用ができますか?」といった質問をお受けすることがあります。
法定後見制度は判断能力が低下している場合に利用出来るので、判断能力がある状態で介護サービスを受けている場合には、法定後見制度の利用出来ません。
介護サービスを受けている状態であっても判断能力があるのであれば、任意後見契約の利用をお勧めします。
任意後見制度
任意後見制度は、今現在、十分な判断能力がある状態で、判断能力が不十分な状態になる将来を想定して、 あらかじめご自身が選んだ人(任意後見人)に、 ご自身の生活、 療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約を締結することです。
任意後見制度
現時点で判断能力があり、将来、判断能力が不十分になった場合に備える人
判断能力があるうちに、将来の支援する代理人(任意後見人)を定めておいて、自分の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、公正証書にて「任意後見契約」を作成して、後見事務を依頼する契約を締結しておきます。
自分がどんな生活をしたいのか、どんなことを代理して欲しいのか、どんな人生設計を考えているのかを代理人(任意後見人)と話し合い、契約書に代理権を付与する内容とします。任意後見契約には、「移行型」、「将来型」、「即効型」の3つの利用形態があります。
任意後見制度は、今現在、十分な判断能力がある状態で、判断能力が不十分な状態になる将来を想定して、 あらかじめご自身が選んだ人(任意後見人)に、 ご自身の生活、 療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約を締結することです。
任意後見制度 |
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現時点で判断能力があり、将来、判断能力が不十分になった場合に備える人 |
判断能力があるうちに、将来の支援する代理人(任意後見人)を定めておいて、自分の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、公正証書にて「任意後見契約」を作成して、後見事務を依頼する契約を締結しておきます。 |
自分がどんな生活をしたいのか、どんなことを代理して欲しいのか、どんな人生設計を考えているのかを代理人(任意後見人)と話し合い、契約書に代理権を付与する内容とします。任意後見契約には、「移行型」、「将来型」、「即効型」の3つの利用形態があります。 |