7月12日に大東市の諸福老人福祉センターにて、

セミナーを開催させていただきました。

セミナーのテーマは昨年度同じ「成年後見制度と相続・遺言」ですが、

今年は、遺言書を中心とした内容にしました。

20160712

IMG_20160712_094946

セミナーには60歳以上の大東市市民の方を募集していますので、

受講者は高齢の方になります。

セミナーのテーマは「成年後見制度と相続・遺言」ということから、

遺言書を成年後見の関わりについても説明しました。

 

そこで、

「いつ、遺言を書くのがよいでしょうか?」の質問には、

「遺言を書くには、心身の状態が良いときに書くのが良い。」と

いうのが回答になるでしょう。

 

認知症の症状によっては、

判断能力が落ちた・・・認知症の症状が出た・・・自分の意志でなく、

身内に書かされた疑いを持たれた遺言となり、

「遺言能力に疑いあり」となってトラブルの基になります。

 

遺言の呈をなすには遺言できるの能力(事理を弁識する能力)が

必要です。

常時、全く判断能力がない状態になってしまった方については、

遺言することはできません。

もちろんですが、成年後見人が本人を代理して遺言を書くこともできません。

 

しかし、

アルツハイマーなどの認知症等が原因で成年被後見人となっている方で

あっても症状は様々ですから、常に全く判断能力がないということは

ありません。

一時的に調子が良く判断能力が正常に回復することもありえます。

 

この場合には、成年被後見人であっても遺言をなすことは可能です。

(民法973条に記載)

 

この場合、医師2名以上の立ち合いが必要となりまして、

医師が事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に

付記する必要があります。

被保佐人や被補助人にはこのような手続上の要件はありません。

 

 

セミナー受講者へ「いつ、遺言を書くのがよいでしょうか?」には、

「今でしょう。」か、

「心身の状態が良いときに書くのがよいです。」という回答がふさわしいと

思い説明しました。