相続人とはの記事の中で、「被相続人の配偶者は、常に相続人となりま
す。」と記載しました。

その根拠は、民法 第八百九十条には、「被相続人の配偶者は、常に相続
人となる。」です。
配偶者とは、婚姻関係にある夫婦の一方のことで、夫にとっては妻、妻に
とっては夫になります。

では、「婚姻」とは、民法 第七百三十九条に記載があります。 
簡単に説明すると、婚姻は「戸籍法の定めるところにより届け出」すると
効力が生します。
婚姻届を役所に出して夫婦となり、一方のことを「配偶者」といいます。
家庭内別居状態であっても、離婚届を提出していなければ、配偶者であり
相続権があります。

近年、時々耳にするのが婚姻届けを出さずに同居している状態で、夫婦と
しての認識がある場合です。
「婚姻届の紙切れ1枚」、「どちらか一方の戸籍に入る必要はない」、
「夫婦別姓で」などいろんな考えで、婚姻届を提出しないでいる若い
カップルがいます。
また、配偶者の死別、離婚で1人の時間が長かった年配の方が、知り合った異性と再婚することなく同居生活を続けるカップルがいると聞きます。

お互いを思い合って同居している時期はいいのですが、何かしらあると
相続人となれない不利益があります。
税制や金融商品などでも不利益があります。

籍を入れていない「事実婚」の状態で、一歩の方がお亡くなりになった場合、
相続権がないことから配偶者となる方の同居していた住居を追い出されたり、生活が困窮するおそれも出てきます。

相手の子や親、兄弟姉妹などの推定相続人の存在にもよりますが、相手を
思うのであれば、遺言書を書くといった事前準備を考えてみたらどうでしょうか。