子連れでの再婚と相続について、前回までの投稿は男性側でした。
今回は、女性が子連れで再婚した場合について書きたいと思います。

子供がいる夫婦が離婚する際には、幼子について親権や監護権をどうするのか、
誰の戸籍に置くのかなど決まると思います。
そうはいっても、親子であることに変わりはなく血縁関係は消滅しません。

 

でも、離婚によって相続関係に影響が出ます。
この状態で元夫や元妻のどちらかが亡くなるケースでは、元配偶者に相続権は
なく、相続人は子となります。
離婚後、子がどちらの戸籍に入ろうと、親権がどちらにあろうと、元夫、
元妻のどちらかが死亡した場合には、子に財産や負債が相続されることに
なります。

離婚した際、子の親権を妻Aが持ち、妻Aの戸籍に入ったケースで進めます。
再婚した際に、妻Aは夫になる人と新たな戸籍を作るか、夫の戸籍に入り、夫の
姓を名乗る場合があるでしょう。
この場合、子Cの戸籍は再婚前の妻Aの戸籍に入ったままです。

子Cを夫Dの戸籍に入籍させるのか、養子縁組するのか判断が必要となります。
子の成長と意思にも寄りますが、姓を変えたくないと主張する子もいるでしょう。
姓を変えずに再婚前の戸籍のまま、もしくは、家庭裁判所に「この氏の変更許可の申し立て」をして許可が出れば、役所に「入籍届」を出して夫Dの戸籍に入り、夫Dの姓を名乗ります。

ここで、妻Aが死亡したと仮定して相続関係を考えると、相続人は子Cと配偶者
の夫Dとなります。
法定相続割合は、子Cが2分の1で配偶者の夫Dが2分の1となります。

夫Dが死亡すると、相続人は妻Aと夫Dの父母となります。
法定相続割合は、妻Aが3分の2、父母が3分の1となります。

夫Dが子Cとの養子縁組をすると、夫Cの姓を名乗り、嫡出子としての地位を得ます
ので、相続人となります。
養子縁組した後、夫Dが死亡すると、相続人は配偶者の妻Aと子Cとなります。
法定相続割合は、配偶者の妻Aが2分の1で子Cが2分の1となります。
夫Dと養子縁組した子Cからみると、戸籍や姓が変わっても実父である前夫Bとの
親子関係は継続していますので、実父の前夫Bの財産も相続できます。

子がある女性が再婚する際、特に子の戸籍や姓、相続についてを考えると思い
ます。
再婚を決意する際には、パートナーとなる男性と充分に話し合うことをお勧め
します。

遠い将来だと思って、相続のことを後回しにすると、後悔することがあります。
相続相談は「早すぎ」て困ることはありません。
「遅すぎです」ということはあります。